虫歯の治療について
最近の傾向として、どんな虫歯にも白い詰め物(CR充填)がされているものが多々見られます。
虫歯の部分を削り取った後は、何でも白い詰め物をすればいいのではないし、なんでも銀歯(インレー、クラウン)にすればいいのでもないのです。
虫歯の場所、深さ、範囲、歯ブラシによる磨け具合、唾液の性状・量、歯の質、色んなことを総合的に判断して、どう治すかを選ばないと、当然それは悪くなってしまい、お金と時間の無駄になってしまいます。
「あそこの歯科に行けば白くしてくれる」なんて言っていたら大変なことになりますよ。
保険の範囲ではどう治すのが最適か、自費の範囲までならどこまで患者さんの希望に添えるのか、一緒にきちんと考えて決めましょう。
骨粗鬆症の方の抜歯について
最近まで骨粗しょう症の薬である『ビスホスホネート製剤』は骨の密度を低くさせない代わりに骨を作る作用も止めてしまい、あごの骨を壊死させてしまうと言われていたため、この薬を飲んでいる患者さんは当院では抜歯をしていませんでした。
2010年にはじめて日本で『薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)』が発表されてから約10年以上が経ち、臨床研究や症例の蓄積により新たな知見が増えました。 それによると、「抜歯前の骨粗しょう症のお薬の休薬の効果に対する根拠はない」とされていて、当初から比較するとMRONJに対する認識は大きく変わってきているのがわかります。
むしろ今では感染源になってしまう要抜歯の歯は、早めに抜歯を行うことが推奨されています。そしてこのMRONJの発生を抑えたり予防するには、口腔衛生管理や適切な歯科治療が重要と考えられています。
当院に通院し始めた時には骨粗しょう症のお薬は飲んでなかったとしても、途中から骨粗しょう症のお薬を服用し始める方も多くいますので、骨粗しょう症のお薬が始まったらできるだけ速やかにご報告してください。骨粗鬆症の方は、きちんと虫歯治療・歯周治療をしたのち、メンテナンスをしっかり行い、口腔内を清潔に保っていきましょう。